任命を賜る

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「ヒカルはね、ちょっと(なな)めぎみなんだよね」 答えになっていない答えのようなものが返ってきて、さらに困りつつもミオは、(かす)かに(うなづ)いた。 「…(みじか)い付き合いだけど、(なん)となく分かります」 「うん。でもある部分では、()()ぐすぎて曲げるという事をしらないから、(おや)()わりの身としては心配なんだよ」 ――――親代わり? またも首をかしげてしまう。 ()(ぐさ)()われた片瀬が答える。 「僕はね、ヒカルの()(もと)引き受け人なんだ。彼の母親とは旧知(きゅうち)の仲でさ、彼女が()くなってからヒカルを(あず)かっているんだよ」 (おどろ)いた。 知らなかった。 ヒカルと(かた)()はそういった関係だったのか。 それにしてもだ。 (した)しかった友人が亡くなったからといって その息子のヒカルを引き取るとは。 ヒカルの父親はどうしているのだろう。 ミオは、ますますもって不思議に思った。
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