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そのドアは、か弱く開いた。
そして色白い見覚えのある顔がひょっこり覗いた。
いくらか汗ばんでいて、少し呼吸も乱れている。
「あの…ぁ…こ「いいから早く閉めて。」」
女の子は何か言いたげにしていたが、俺はあえて遮った。
「あっ!すいません…」
そう言うと、またか弱くドアを閉めた。
「っで、何?」
本当は俺が聞かれる立場なんだろうけど、今言いたそうにしてた事を、好奇心で聞いてみた。
「あの…」
「ん?」
「あの…生徒会室さんはどちらですか…?」
……は?
「…そんな事…?…ってかもう俺の事忘れたの?」
「っえ?」
目の前にいる女は『えっ?』って顔でこっちを見た。
はぁー……。
「壇上で向かい合った仲なのに。」
「…えっ…えぇぇえ!?」
……そう。
あの女の子が来たのである。
藤代 葵。
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