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「それと…」
「なに?」
「膝枕しろ」
「はぁ?」
早く…とでも云うように軽く頭を上げオレを睨んでいる視線に溜め息を1つ吐き、渋々…瀬名の膝枕願望を了承した。
「仕方ねぇな…お前、なんか妙に今日は甘え上手だし…」
「お前の手は気持ち良い。膝枕はついでだ」
「…前言撤回。全っ然上手くもなんともねぇ。ただのワガママだ!」
「うるさい理世」
…誰がうるさくさせてるんだ?って云おうとしたけど…ホントに気持ち良さそうにしてるからそれはやめてやった。
最近…瀬名は魘(ウナ)されてる事が多かったから、これで寝てくれれば…
…悪夢の理由は知らない
聞きたいけど…聞けない。きっと、お前に教える事などなにもない…って云われるに違いないから…
…でもオレは…瀬名の事だから知りたかった。毎晩、瀬名が魘されてるの見るの嫌だし…
…だからオレは、なけなしの勇気を振り絞って…聞いてみる事にした。
「…ねぇ、瀬名」
「…なんだ」
「…なんで毎晩…苦しそうにしてるんだ?」
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