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「なぁ…瀬名…」
「…なんだ」
「オレは…いつになったら自由になれるの?」
いつになったら…この主従と云う関係から解放されるのだろうか…
「…お前は自由になどなれない。何故なら…」
「……」
「お前は結局、篭の中の鳥だからだ」
「……ッ!」
「SAKURAを殲滅したとて…決まった運命で出逢ったオレたちの鎖は…契約した瞬間から切れはしない」
少し距離をおいて寮の方角へ歩いていく背中は…残酷な言葉しか吐き捨てない
夢さえも見ちゃダメと云われているようで…
やっぱり…この世界は窮屈だ。…どんなに必死にもがいたとしても…運命に逆らったとしても…
…なにも起こりはしない
ただまた…同じ朝を迎え、異物を倒す。そして直ぐに夜が来て…暗闇が総てを支配する
そうして繰り返される日常…
オレはそれに嫌気がさしていた…。
だから早く…一刻でも早く…この運命の鎖から…解き放たれたい
「そ…だよな。オレが従の鎖から解放される事なんて…無いんだよな…」
「……あぁ」
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