予兆...

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オレは歩く足を止め、凍てついた瞳で夕暮れの空を睨んだ。 ただ憎しみを込めて… ―――… 部屋へ戻り、オレはベットへと倒れ込む。食堂が開くまでまだ少し時間がある 「瀬名…先、風呂入って良い?」 「あぁ…別に構わない」 机と向かい合いパソコンになにかを打っている瀬名は、視線をこちらへ向ける事無く返事をした。 今日は大浴場に行く気分にはなれない…と云うより、瀬名もオレもあんまり大浴場は好きではない だからいつも自室についているシャワーやフロで済ます お湯をためている間の時間が妙に空いてつまんない… 「なぁ…瀬名…」 「なんだ」 今度の問いにはちゃんとこちらに視線を向けながら答える オレが退屈しているのに気づいたらしい。だからきっと風呂入るまでの間は相手してくれるだろう 「…やっぱり校内で会ったらセンパイつけなきゃダメ?」 「当たり前だ。誰も呼び捨てで呼んで良いと許可した覚えは無い」 *
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