532人が本棚に入れています
本棚に追加
オレは歩く足を止め、凍てついた瞳で夕暮れの空を睨んだ。
ただ憎しみを込めて…
―――…
部屋へ戻り、オレはベットへと倒れ込む。食堂が開くまでまだ少し時間がある
「瀬名…先、風呂入って良い?」
「あぁ…別に構わない」
机と向かい合いパソコンになにかを打っている瀬名は、視線をこちらへ向ける事無く返事をした。
今日は大浴場に行く気分にはなれない…と云うより、瀬名もオレもあんまり大浴場は好きではない
だからいつも自室についているシャワーやフロで済ます
お湯をためている間の時間が妙に空いてつまんない…
「なぁ…瀬名…」
「なんだ」
今度の問いにはちゃんとこちらに視線を向けながら答える
オレが退屈しているのに気づいたらしい。だからきっと風呂入るまでの間は相手してくれるだろう
「…やっぱり校内で会ったらセンパイつけなきゃダメ?」
「当たり前だ。誰も呼び捨てで呼んで良いと許可した覚えは無い」
*
最初のコメントを投稿しよう!