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―――風呂から上がり食事を終え自室に帰って来ると、オレのベットの上に瀬名が寝ていた。
コイツ…食堂居たっけ?メシ食ってないで寝てんのかよ。この野郎は…
生徒会の仕事が、忙しいんだろうな
傍に近寄ると、身体から香るあの匂い。髪には水滴がついている
「…って事は、風呂には入ったんだな」
寝ている横に腰を下ろすと、瀬名の寝顔が目に入る
「うわ、睫毛なが…。ホントに男かよ…お前は」
茶色く光る髪をゆっくりと撫でる
いつもは悪態ばっかり吐いてるクセに、静かだとこうも調子を狂わせるのか…コイツは
「どうして…主がお前なんだろうな……」
「……オレも従が自由に選べたら苦労はしない」
「なっ!!起きて…」
気づけば切れ長の瞳が、いつもならみせない優しい表情でこちらを眺めていた。
「誰が寝ているなんて云った」
「…ムカつく」
「それより…」
「あぁ?」
「…手を休めるな」
…手?
あぁ、髪撫でてた手のことか
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