リュー

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「ねぇ、家族は何人?」 リュウはミジアの街から来た。 ミジアはここから数百キロ離れた街で、雄大な土地が広がっている。 あの、赤の国。 「4人。父と母と俺と妹」 「そうなんだ、みなさん元気?」 「…元気、だろ。」 「そっかー、帰してあげられなくてごめんね」 他にいるメイドや護衛もほとんど住み込みで働いてくれている。城をがら空きにするわけにはいかないから。 ときどき、家に帰るようには言ってあるんだけど。 さすがにリューはすぐに行って帰れる距離ではない。 「別にお前のせいじゃないだろ。妹なんか寂しがってるだろうけど」 「何、シスコンなの?」 「なっ!そんなんじゃねぇよ。 ただ、かわいくて、守ってやりたくて、近寄ってくる男が許せないだけだ、お前と違って」 一言余計なのよね、このバカは。 と、いうか、完璧なシスコンではないか。 なんか意外。 「何笑ってんだよ」 「別にー」 なんか、リューのことを知っていくのって嬉しくなる。 人のこと知るのってこんなに暖かいんだっけ?
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