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「メイ様っ!!!」
駄々をこねる私の前に現れたのは、
「ド、ドルシェ…」
「また、逃げ回っておられるのですか?毎回、毎回よく飽きませんね。そんなことしても、意味などありませぬ。私たちだって、暇ではないのですから、手を煩わせないでください。いいですか、引きずってでも連れて行きますからね。それから今日は…」
「わかった、わかった、行くってば!」
「また、そんな口のきき方をなさって!お客様の前では、気をつけて下さいね」
「……わかってるよ」
終わりそうにない説教を終わらせるには、首を縦にふるしかない。
ドルシェには、毎回なんだかんだで丸め込まれているような気がする。
ドルシェは私が幼いころからこの城に仕えていて、私のすることなすこと予想して邪魔をする。
しかも、私の生まれた時から、あんな感じだった…らしい。
いくつなんだ、あのばばあ。
いわゆる『ばあや』っていうやつで、いつも怒られてばっかりだけど、ほんとに信頼できるのはドルシェだけなのかもしれない。
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