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「さぁ、姫様。早くお着替えになって下さい」
「いーよ、時間ないし。このまんまで」
「だめです」
メイドの人たちが、ドレスと化粧道具をもって楽しそうに笑っている。
ちょっと怖いよ。
「そうですよ、私たちの楽しみは週一度、姫様を綺麗(おもちゃ)にすること!」
メイドの子の一人がそう発言すると、周りのみんなも肯定するように頷く。
綺麗に、の後ろになんか隠れてる気がしたのは気のせいだろうか。
「と・に・か・く!私たちの楽しみを奪わないでくださいね。世界中の男を弄べそうなそのお顔!有効にお使いになるべきですわ」
弄ぶって…
「私はこのほうが落ち着くんだけど」
「姫様がどんな格好をなさっても私たちは姫様の良いところをたくさん知ってますが…
この前、隣国の姫様がいらしたときに、あの方ったら、
『あら、お掃除でもなさってたのですか?その格好…
まぁ!まぁ!さすがメイ様、やはり私たちとは違う才をお持ちですわね』
もう!私、悔しくって!メイ様がその気になれば、あんな女、目でもございませんわ」
と、私の髪を整えながら、ルーがつぶやく。
この子は私を慕って何かと世話をやいてくれるメイドだ。
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