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毎日毎日、健気な程に仕事をこなしていく我等がオカンこと猿飛佐助。
理由は食っていく為なのだが、それでも情報収集に護衛、文の配達に掃除選択おやつの支度に…(後半母親と変わらない)
とまぁ、来る日も来る日もあくせく働いて…ようやく待ちにまった給料日がやってきました。
「ホレ、佐助。いつも甲斐の為にご苦労であった。今月の給料だ」
幸村から紙で包まれた物を受け取ると、嬉しさとこの給料を貰うまでの大変さが表情に出てしまう。
「いやーやっぱり嬉しいねぇこうやって頑張って働いた成果を貰えるなんてさ」
渡された紙包みを触りながらニヤケ続ける佐助。そんな表情を見た幸村は少し怖いと怯んでしまった。
「で、では俺はお館様に呼ばれておるのでな…これからも頼むぞ?佐助」
「はいはーい。任せなさいっての」
妙に足早に立ち去る幸村が気になるが、やはり一番気になるのは給料の額…早速自室に戻り紙包みを開き始めた。
―今月はいくらかなぁ。結構重かったし今回は遠征も多かったから相当期待出来るよねー―。
わくわくしながら最後の折れた紙を開いた。だがそこにあったのはある筈の金では無く…
「……は?」
何枚も重ねて置かれた紙。もちろんお金なんかじゃあ無い。唖然としながらその紙を一枚取り裏を見てみると、
『かたたたきけん』
と書かれていた。
その他にも『褌をあらってやるけん』『菓子を少し分けてやるけん(但しこちらはたった一枚しか無かった)』『稽古の相手をしてやるけん』等々…
つまり給料日に貰う筈の金が全て幸村お手製の券に変化していたという事だ。
「……だーんーなー…」
わなわなと券を持った手を震わせて呟く。その顔に最早いつもの笑みは消え、般若の様な表情が貼りついていた。
ズドドドド…
「Σっ;;!」
何やらただならない気配を感じた給料泥棒幸村。恐る恐る後ろを振り向くと…
鬼が居た。
「さ、佐助ぇ;;?!まぁ待て!話せば分か…」
「何が話せば分かるだぁ!給料寄越せこの餓鬼ぁ!」
「Σヒィッ;;」
最早弁解は無理らしい。幸村は全速力で逃げ出した。
だが忘れちゃいけない、忍の脚力の凄さ。武将vs忍の決着はすぐに着いた。
ガシッドカッバキッダンダンッ…
「ぎゃああああぁ!!!」
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