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僕は剣を握りながら、震えている。
恐怖からじゃない
なんで、どうして
君が、君が
「どうして君がここにいるんだ!?」
―ここは、魔王が住むはずの城
どうしてここに
そう叫ぶと
目の前の奴はほほ笑んだ。
「それはね、ボクが『魔王』で君が『勇者』だからだよ」
「そんな。嘘だ」
彼の言葉を必死で否定する僕に
「本当だよ」
静かに
本当に静かに告げた。
わかっていた。
君が『魔王』だって
いつか戦わないといけないって
認めたくなかったけど
ずっと知っていた…
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