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「おっ、来たか鍬次郎!!」
「近藤さんそれに沖田君も、お久しぶりです!!」
手をヒラヒラさせて招き入れた近藤に大石はニカッと笑い挨拶をした。
「…おい、俺には挨拶無しかよ!!」
自分だけ挨拶されなかった土方は少し機嫌悪そうに大石を見た。
「土方さんは俺が彦五郎さんの家に行く度にいるから久しぶりじゃあない。」
そう言い笑う大石に土方は口を尖らせた。
「俺が暇人だって言いてぇのか鍬次郎。俺だって効くかも分からねぇ薬売りながら暇な…いや、ほんの僅かな時間を見つけて此処に来ているんだ。意外と大変なんだぞ?」
「あら、その割には石田散薬が随分と余っているんじゃない?」
ノブが土方の話に割り込み大石にお茶を出した。
「うるせーよ姉貴、…それより鍬次郎!!暇ならこれから稽古付き合わないか?」
姉に核心を突かれ気まずくなった土方は話題を変えると大石は目を輝かせた。
「俺も同じ事言おうとしてたんだ、今日はもう仕事終わったから稽古できるぞ!!」
そう言い大石はグイッと熱い茶を飲み干した。
大石は三つ年上の土方と仲が良く度々ノブの旦那である彦五郎が開いている道場で稽古をしていた。
「じゃあそろそろ稽古に戻るか。ノブさん、ご馳走様!!」
近藤が立ち上がりそれに付いて行く大石達。
「稽古頑張って下さいね。」
ノブは笑いながら見送った。
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