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その日は
久しぶりに空が晴れ渡っていた
私は
何日も飛ぶことができずにたまった
イライラをぶつけるかのように
ツバメたちと速さを競い合っていた
久々に大空を舞い
その楽しさに夢中になっていた私は
気付かないうちにいつもの倍くらいのスピードで疾っていた
そして
角を曲がった瞬間
私の瞳に蒼い髪の少年が飛び込んできた
慌てて避けようとしたけど
スピードを出し過ぎていたせいでうまくいかず
少年とおもいっきりぶつかってしまった
私は軽い捻挫ですんだけど
階段を上がりきったところだった少年は
バランスを崩して
下まで転げ落ちてしまった
彼が救急車で運ばれていってもなお
彼が倒れていた場所から
視線を逸らすことがでしなかった
今でも
私の脳裏には
階段の下に力無く手を投げ出して横たわっている
少年:幼なじみのアルファと
彼の横でずっと私を悲しそうに見つめていた
黒い服の少女の姿が
消えることなく残っている
そして
このときから私の
夢の翼は消えてしまったんだ・・・
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