『はぴすと』

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 まえがき  藤垣美奈という、女子高生がいました。ある時、彼女は流行のケータイ小説を用いて、小遣い稼ぎを目論見ました。彼女が見つけたケータイ小説サイト『天使の本棚』では、ケータイ小説ランキングで一ヵ月一位を保持した場合、その作品は書籍化、という企画があったのです。さらに、書籍化とともに賞金も百万円手 に入る。藤垣美奈はその書籍化、百万円入手を目指し、ケータイ小説の連載を始めました、けれど、彼女は正攻法を用いず、思いついたフィクションのストーリーを『実体験』と称して連載したり、ランキングでの順位を上げるために、イカサマしたりと、卑怯な方法で書籍化させようとしたのです。彼女からすれば、書籍化さえす れば、他のことはどうでもよかったのです。その方法でこのまま書籍化か、と思われたとき、彼女の周辺で異変が起こり始めました。現実とは思えない、異常な事態が、彼女を襲ったのです。  最終的に彼女のケータイ小説『ひとつのシンジツの愛』は書籍化が決定しました。けれど、藤垣美奈は――因果応報な結末を迎えました。  この物語は、藤垣美奈によって、狂った歯車に巻き込まれた、とある女の子のお話。  ☆★☆★ 『タイトル』『はぴすと』 『紹介文』『私には、昔から好きな人がいます。今の関係が壊れるのが怖くて、ずっと告白はしていません。でも、恋人にはなりたいです。あの人との恋愛物語が、欲しいのです。だから、つい考えてしまう。あの人と、こんなことがあったらいいな、とか。こういう風な恋愛生活を送りたいな、とか。だから、これは妄想 。大好きな彼と、こうなれたらいいな、という恋愛物語。私の妄想を、聞いてください』
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