第二章

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フィリア:「ディア様のお好みは、甘すぎずに固くなく、そして程よくサクサクとしたモノでしょう」 ディア:「うん!ぜつみょうなやきかげん、ってやつだね♪」 フィリアはディアの口から難しい言葉が出てきたことに驚いていた。 フィリア:「難しい言葉を知っているのですね。…驚きました」 ディア:「えへへ…おかあさまとじじょが…そういってた」 彼女はフィリアに褒められて照れ笑いをしていた。 < カサカサ > しばらくするとお腹がいっぱいになったのか、ディアはお昼寝を始めた。 < すぅすぅ… > フィリア:「…」 フィリアの服装は黒のスーツだった。上着を脱ぐとそれをディアに掛けた。上着の下には動き安いようにノースリーブのシャツを着ていた。 < スッ > ディアがぐっすりと眠っていたのを確認すると、スッとフィリアの表情が険しくなった。左手を自分の腰に手をやった。そこには護身用のナイフが一本、吊されてあった。そのナイフは非常事態に備えて、いつも上着の下に隠れるようにして持っていた。 フィリア:「…そろそろ出て来たらどうだ」 < カサカサ > すると庭の木々の影から二人の男が出て来た。男はフィリアを見てニヤニヤと笑っていた。 男①:「何だ…此処の幼子が庭に居ると聞いて忍び込んだっていうのに…護衛は坊主一人か?」 男②:「ん?…待て…コイツは女じゃないか?」 男①:「あーん?…そんなの、どっちでも良いだろ。屋敷の連中が気付く前に、お嬢様を連れていくぞ」 < ピュッ > フィリア:「!」 男②がフィリアに構わずに近づいていき、ディアに触れろうとしたその時だった。 男②:「うわぁっ?!」 鼻の頭を鋭いナイフが駆け抜けた。男二人はフィリアを見つめていた。 フィリア:「ディア様に薄汚い手で触れるな」 彼女の口調がきつくなった。男②はさっとフィリアから間合いを取った。 男②:「あ、兄貴…」 男①:「情けない声を出すな。なに子供に怯えている」 男②:「…コイツ、なんかやばいよ」 < じーっ > フィリアは一言も喋らずに二人を見ていた。image=222329825.jpg
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