第二章

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< すらっ > 男①はため息を吐き、腰に吊していた剣に手を伸ばして引き抜いた。 男①:「お望みとあらば、お前の屍(しかばね)を跨(また)いで行こうか」 男②は慌てて剣を抜いた。フィリアはナイフを逆手に持ちかえ、相手の動きをじっくりと見つめていた。 フィリア/男①②:「…」 その場は緊張感であふれていた。 ディア:「…ぅうん…」 フィリア:「!!」 < タンッ > 二人組はフィリアの一瞬の隙を見逃さなかった。一斉に切り掛かった。 < キッ > 彼女は攻撃に備えて身を低く構えた。 男①:「はぁっ!」 男①は左から右へと切りつけた。 < キィン > フィリアは持っていたナイフを盾がわりにし、腕を曲げての肩の高さで剣を受け止めた。 男①:「な…」 力の差が明らかに違いがあるはずなのだが、フィリアは顔色を変えていなかった。 < キィンッ > 彼女は剣を弾きとばし、胴ががら空きになっていたので強烈な肘打ちを鳩尾に決まった。 < ドカッ > < ガハッ > 男①は後ろに反り返って地面に倒れた。 男②:「あ、兄貴っ!クソッ…はあっっ」 < ブンッ > 男②は剣を上から下へと振り下ろした。彼女は男①と同じようにナイフを左手を掲げてそれを軽々と受け止めた。 < ギロッ > < ビクッ > 彼女は男②を睨みつけた。 フィリア:「…お前達の雇い主は誰だ。今言えば、命だけは助けてやろう」 男②:「うっ…」 男②はフィリアの眼差しに怯んでいた。力の差を見せ付けられた彼女に、抵抗することは無意味だということを男①で解った。彼は男①よりも非力だったのでどうするかは結果的には決まっていた。 男②:「…ルベリア様だ…い、命だけは…」 < すとん > 言い終わる前にフィリアは彼の首筋に手刀を軽く打った。 < カクン > フィリア:「…ルベリア…いや、まさか…あの?」 ?「あそこです!」 .
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