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夫:「…」
しばらく考えると夫はフィリアを見てから呟いた。
夫:「まさか…父上か?」
フィリアは頭を振った。
フィリア:「…ルベリア様よ」
夫:「!!」
ルベリアの名前を聞いた瞬間、夫の顔は歪んだ。
夫:「あんのクソジジィが!!」
< ドカッ >
夫は悪そうな顔で叫び、机を叩いた。コホンとマリアナは咳をした。
マリアナ:「あなた、地が出てるわよ」
夫:「お、おお…あの爺が…ディアを」
彼は元の顔に戻り真剣な眼差しになった。それから二人はフィリアを見た。
夫:「フィリアちゃん、今のディアが反抗期なのは分かっているが…娘の護衛をしてもらいたい」
フィリア:「はい」
マリアナ:「あの様子では、一緒に眠る事は無理なの」
フィリア:「ということは…いつからディア様はお一人で?」
二人は顔を見合わせた。
マリアナ:「…一週間かな?」
フィリアは彼等の視線が泳いでるのを見逃さなかった。
フィリア:「夜の警護はどうなっているのですか」
夫:「その件は扉の近くに警備担当者を配備しているよ」
しばらく夜のことをフィリアは二人と話し合った。それから、夜になった。
< … >
< Zzz… >
屋敷中が眠りに包まれていた。しん…と空間の中であちこちにいびきが聞こえてきていた。フィリアはその中を気配を消してからディアの部屋へと進んだ。
フィリア:「…」
しばらく進むと、進行方向前方に警備担当者達の気配を感知した。
< すっ >
ディアの部屋の周りには部屋が少なかった。その中でも近くにある部屋は空き部屋になっていた。その事を知っていたフィリアはその部屋に忍び込んだ。
< カチャ…キィ… >
フィリア:「…」
その部屋の中は真っ暗だった。彼女は暗闇の中でも目が利いた。そこはディア専用の衣装部屋だった。衣装の他にはバルコニーがあった。
< カチャ >
フィリアはバルコニーの方に出ると隣の部屋を見た。
フィリア:「…」
隣のバルコニーとの距離を目だけで計った。手摺りに足を掛けてトンッと軽く蹴った。
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