第三章

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< レクサスの部屋 > < コンコン、カチャ > フィリアは部屋に入った。そこには二人が既に揃っていた。 マリアナ:「おはよう、フィリア」 フィリア:「おはようございます」 < にっこり > マリアナは彼女に頬笑んだ。フィリアは夜に手に入れた物を二人に見せた。 レクサス:「やはり、この紋章は俺の家門だ。…何故、ディアを?」 フィリア:「侵入者はディア様の命を狙っていました。あの…ルベリアとは一体、誰なのでしょう?」 二人は顔を見合わせ、驚いていた。 レクサス:「あー、君は会った事は無かったな。…ルベリアとは俺の家の現当主だ。俺との関係を言えば、祖父にあたる」 フィリア:「…どうして…祖父殿が?」 彼女には分からなかった。自分の孫を殺そうとする理由が。しかし、それをレクサスが説明した。 レクサス:「実は俺…次期当主だったんだ。父上は身体が弱く、精神面でも当主の座が合う人じゃなかったんだ」 マリアナ:「そしてあなたは私に出会ってしまった」 < コクン > レクサスは頷いた。 レクサス:「そう…俺達は愛し合い、結婚したのは良かったが…俺はここに婿として入った」 フィリア:「!」 フィリアには全てが解った。レクサスの祖父はディアの命を奪う事によって、離縁出来るかもしれないと考えたようだった。 マリアナ:「…あなた、どうしましょう」 レクサス:「そうだな…しばらく様子を見てみよう」 その日からフィリアは警備担当者を見回る役を担うようになった。それと同時進行にディアの護衛を進めた。その役目が入ってくると、自然とディアから離れる時間が多くなった。彼女が仕事をする時にはいつもディアの事を占めていた。 一方、ディアの方は最近フィリアと距離を置いた為にぽっかりと空いた心が虚しかった。 ディア:「…ふぃーはどこ?」 侍女①:「…お仕事ですよ。もう少しで戻ってきますから」 < …数分後 > ディア:「…ふぃーは?」 侍女①:「もう少しでございます」 < …数分後 > ディア:「ふぃー」 同じやり取りを二人は何度も繰り返した。侍女①は呆れることなく彼女に返事を返していた。
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