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< コンコン…カチャ >
< たたたたたっ >
< ぎゅうううっ >
フィリア:「…ディア様?」
フィリアの姿が見えた瞬間にディアは彼女の胸の中に飛び込んだ。驚いたフィリアは侍女①を見た。侍女は微笑んでいた。
侍女①:「どうやら…寂しかったようですよ」
< ぎゅううう >
< ちらり >
ディアは力強く抱きしめた後にフィリアの顔を見上げて言った。
ディア:「…てをたたいちゃって…ごめんなさい…。おねがいだから…わたしをきらいにならないで…」
フィリア:「!!!!」
< ガバッ >
少しだけ瞳を潤ませたその表情(かお)がいっそう愛おしく感じた。フィリアは一瞬でディアを抱きしめていた。彼女はフィリアに抱きしめられてとても嬉しそうだった。
フィリア:「私が貴女を嫌うことはありえません。例え、この世界中が敵にまわってしまっても…私は貴女のみの味方ですよ」
ディア:「…?、うん!」
彼女はフィリアの言葉の意味が難しくてわからなかったが自分のことを好きでいてくれるのが嬉しかった。
その日から、ディアがフィリアから離れる事が無くなった。フィリアが仕事で離れなければならないときは、ディアが勝手について回った。フィリアの顔はいつも朗(ほが)らかに緩(ゆる)みきっていた。二人の後をこっそりと付けて回る人物がいた。
< こそっ >
それはマリアナだった。マリアナの行動を知ったレクサスもまた、その仲間に加わっていた。屋敷の主人たちが移動すれば、警備担当者達も移動しなければならなかった。もちろん、その事に関してはフィリアとディアは知るよしもなく、マリアナやレクサスも深くは考えては無かった。警備担当者達は自由奔放(ほんぽう)な主人達を尊敬していることには変わりはなかった。
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