第四章

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< ハッ > 扉の方を見ていたフィリアはディアに声を掛けられて我に返った。 フィリア:「…決まりましたか?」 ディア:「じゃ~ん!」 < バッ > フィリア:「ぇ…!?」 ディアが持っていた衣装は、背中がぱっくりと割れていた青いマーメイドラインのドレスだった。ドレスは大人が着るような代物だった。 フィリアは自然と笑顔が凍っていたが、ディアは楽しそうだった。 フィリア:「(うぅ…)」 フィリアは彼女の腕を引いて廊下に出るとそこにはマリアナ専属の侍女と一般の侍女が立っていた。 侍女①:「さぁ、フィリアさん…楽しい時間の始まりですよ」 フィリア:「!!?」 < ニヤリ > ディアと侍女達は同時に笑った。 < ゾクリ > フィリアが連れていかれた場所はディアの自室だった。彼女は着替えるスペースに無理やり押し込められ、侍女①に手伝ってもらった。 侍女①:「きゃあぁぁっ」 フィリアが着替え終わると、侍女①は普通の女に戻って黄色い声をあげた。 ディア:「どうしたの?」 < ハァハァハァ… > フィリア:「…」 彼女はこの状況をどうしたものか悩んでいた。フィリアのドレス姿を見た侍女①の鼻息や呼吸が明らかにおかしくなっていたからだった。この状況に敢えて触れない方が平和的に済みそうだった。 ディア:「ねぇってば!」 侍女①:「…!!」 ディアの声で我に返った侍女は赤面していた。まだ火照(ほて)っている顔のまま彼女達の前に出た。 侍女①:「最高傑作でしたよ。さぁ…フィリアさん」 フィリア:「………」 < びちっ > < カツン > 彼女は着慣れていないドレスにヒールの高いパンプスを履いていたので、ぎこちない動きでディア達の前に姿を現した。 ディア達:「!!!」 フィリア:「…どうかしら…なんか、女装してる気分だわ」 普段はスーツだったのであまり気乗りしていない覇気で、自分の着ている姿を確認した。フィリアとは裏腹に、ディア達は侍女①と似たような反応を示していた。
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