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ディア:「フィー、けっこんしてぇ~!」
< たたたたたっ >
フィリア:「!!?」
< ぎゅううう… >
ディアはとんでもない事を叫び、フィリアに向かって両手を開いて飛び込んでいった。彼女はディアを拒否する事が出来ずに、抱きしめてしまった。
フィリア:「(う…可愛らしいと思う、自分が情けないわ…)」
< ぐりぐり >
ディア:「きゃっ…くすぐったいよ…」
ため息混じりにフィリアは自分の顔をディアの頭に埋めるようにしてこすりつけた。
フィリアはドレスと履物の他に、侍女達から化粧までされていた。実年齢よりも4、5歳ぐらい年上に見えた。
ディア:「!」
フィリア:「…どうかなさいましたか?」
ディアがフィリアを見て固まっていた。彼女は嫌な予感がしていたので話し掛けたくはなかったが、諦めて時の流れに従うことにした。
< キラキラ >
ディアの瞳がこれ以上ないほど光っていた。
< ぐぃ >
< コクン >
フィリア:「!!!」
彼女はフィリアの腕を掴み、可愛らしく小首を傾げた。
< ずばきゅ~ん >
その行動はフィリアのハートを射抜いていた。
ディア:「その格好で外に散歩しにいこうよ」
フィリア:「はい…?!」
< バッ >
可愛らしさに呆けているとディアが言ったとんでもない提案に、直ぐさま返事をしてしまった。フィリアは慌てて口を押さえても、全ては遅かった。
ディア:「やったぁ♪」
フィリア:「あ…」
彼女は嬉しさのあまりに跳びはね、フィリアは彼女に異議を申し入れ為に手を伸ばした。しかし、その行き場のない手は寂しいく空を泳いでいた。
フィリア:「はぁ…」
フィリアには、喜ぶ彼女を奈落の底に落とすような事は出来るはずがなかった。意を決めて身支度を始めた。
< 三十分後 >
< ぶっすぅ~ >
散歩する為に移動しているとフィリアがマリアナに呼び止められた。結局、急遽(きゅうきょ)仕事が出来てしまったので散歩は延期になってしまった。
フィリア:「すみません…ディア様」
ディア:「…おかあさまが待ってるから…はやく!」
フィリア:「ディア様…」
< たたたっ >
ディアは侍女と部屋に駆けていった。二人きりになるとマリアナはフィリアをじっくりと見つめていた。
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