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少女:「…」
少女は愛おしそうな表情で赤子に微笑みかけていた。マリアナはそんな彼女の顔を見るのは母親が生前していた以来だった。
マリアナ:「その子を守ってあげてね…私の分まで、良いわねフィリア」
< コクン >
フィリアと呼ばれた少女はゆっくりと頷き、ディアをマリアナに返した。それから片膝をついて、深々と頭を垂れた。
フィリア:「はい。この命に賭けて、ディア様をお守り致します」
フィリアの眼差しは十歳とは思えない、強くて鋭い光が宿っていた。彼女はディアが産まれた事によって、右に出るものがいなくなってしまった。
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