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フィリアは侍女①に仕事の件を伝えるとディアが彼女を見送りにくると言ったが、フィリアは敢えてそれを拒否した。ドレスの形が変わったところを見せたくなかったからだ。フィリアのドレス姿を目の当たりにした男達は、スリットから見える彼女の生足と色気にノックダウンしていた。
彼女は機動性の高い馬で隣町に行くことにした。
< パカラッパカラッ… >
フィリアはのんびり行くことはなく、馬に跨(また)がり風の様に駆け抜けていった。
< 一日後 >
隣町には一本道だったので迷うことなく無事に着いた。フィリアはそのままレクサスの実家に行ってもよかったが、何も下調べをせずに行くことには抵抗があった。彼女のそれは職業柄だった。
まず始めに手を付けたのはルベリアの屋敷に詳しい者の確保だった。馬舍付きの宿を取ったあとに、町のほうに出ていった。
< ガヤガヤ >
フィリア:「…」
フィリアは大通りからそれた高い建物の屋上から行き交う人々をじっと観察していた。誰も目線の高いその場所から彼女が標的を絞られているとは夢にも思わなかった。
フィリア:「…見つけた」
< とんっ >
彼女は屋上の縁(ふち)に足を掛けて身軽に飛び降りた。
< ひゅー…ストン >
男①:「!!、…っうわぁっ?!」
< ドスン >
フィリアは若い男の前に飛び降りたのだった。若い男は十代後半ぐらいで、髪は橙色で瞳は緑だった。彼は空から降って来た彼女に驚き、尻餅をついてしまった。
男:「な…なな、だ、誰?!」
< にっこり >
男:「!」
< ボッ >
フィリアが必殺悩殺笑顔が発動した。男はあっという間に彼女の虜になってしまった。
男:「えっと…あの…君は…?」
フィリア:「フィリアよ。貴方は…」
男:「あ!俺はニール…フィリアさん大丈夫かい?」
< ドキドキ >
ニールはフィリアのドレスとプロポーションにくぎづけだった。彼女は知り合った彼を喫茶店に誘った。ニールは何も疑わずにフィリアに着いて行った。
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