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< 喫茶店 >
ニール:「はははっ」
彼女の持ち前の話しの技術でニールは安心しきってしまった。彼の趣味の話へとフィリアはごく自然に誘導させた。
ニール:「実は俺…こう見えても庭いじりの趣味がこうじて、あるお方の庭師をやらしてもらってるんだ」
フィリア:「へぇ…良かったわね」
< にっこり >
彼女が笑うとニールは照れていた。
ニール:「庭師って言っても…まだ見習いなんだけど…ね」
フィリア:「そう…いつから庭師に?」
ニール:「二年前の15の時からだよ。たまたま今の主人の庭に忍び込んで庭を見ている時に、スカウトされたんだ」
フィリア:「…忍び込むって…」
下手をすると今のニールはフィリアの目の前には存在することはなかった。
フィリア:「…貴方を任命した物好きな主人は一体誰なの?」
ニール:「ははは」
ニールは苦笑した。
ニール:「厳しいね、貴女は。…ルベリア様だよ」
フィリアは目を丸くした。彼女は驚くふりをしていた。
ニール:「…ん?」
すると彼はじっとフィリアを見つめた。
フィリア:「何よ」
ニール:「…やっぱり…君は笑顔が似合う。けど、どこか違和感があるんだけど…」
フィリア「ふふふ…そうかしら?」
彼女は笑ってごまかした。
フィリア:「私は私よ。それ以外に何かあるかしら?」
ニール:「ぅ…」
ニールはそう言われると何も言えなかった。その後、ルベリアの屋敷について探りを入れた。結局、屋敷には警戒するところは何もなかった。
< 翌日 >
翌日、フィリアはルベリアの屋敷に向かった。
< ガチャ >
男:「はい」
フィリア:「!」
屋敷の扉を開けたのはレクサスに瓜二つの人物だった。目の前の男の方は血色が良いとは言えなかったが、雰囲気は優しいものだった。男はフィリアを見て目を細めた。
男:「…」
フィリア:「フィリアです。マリアナ様からの使いで参りました」
< ふっ >
レクサスの父親は柔らかい笑顔で彼女を迎え入れた。
父親:「貴女が息子の信頼している方ですか。さぁ…あの子は父上の元にいますよ」
フィリアはレクサスの父親が先頭を歩いていた。屋敷はマリアナの屋敷ほど大きくらなかったが、十分すぎる広さだった。
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