第六章

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マリアナは二人を見て頬笑んでいた。ネグレクトは彼女の耳元で囁いた。 ネグレクト:「(姉上がニールとフィーさんをくっつけようとしているみたいなんだ…。ボク、絶対ムリだと思うよ)」 マリアナ:「まぁまぁ…その事なら私も心配していたことなのよ」 彼女がため息を吐くと、ディアが近寄ってマリアナの膝の上に両手をついた。 ディア:「じゃあ…お母様は計画には…賛成?」 彼女はディアの髪を撫でた。 マリアナ:「そうね…私はフィリアに幸せになってほしいわ。でも…ニールに対して、愛情を持っているようには見えないんだけど…」 < ベシッベシッ > ディアは彼女の膝を叩いた。 ディア:「お母様ぁ…」 彼女は涙声だった。ネグレクトはじっとマリアナを見ていた。 ネグレクト:「母上…確かに、フィーさんはニールに興味がないけど…ニールは…」 マリアナが笑った。 マリアナ:「そうね…ニール君は報われない恋をしているのよね…」 マリアナがため息を吐くとディアが言った。 ディア:「だーかーらー…私がフィーにニールを仕向けるんだってば!」 マリアナとネグレクトはとうとう折れるしかなかった。 マリアナ:「そうね…結果がどうなるか分からないのも…楽しいかも」 ネグレクト:「母上…ボクはかなり不安」 < スッ > ディアは手を差し出してニヤニヤと笑っていた。マリアナとネグレクトはその手の上に自分の手を重ねた。 ディア:「フィーにニールを!ニールにフィーを!」 ノリノリの彼女を他所に、ネグレクトは苦笑いをした。大体、ディアが計画を考える時にはネグレクトがその手順を決める役割だった。彼は八歳とも思えない頭脳の持ち主だった。 ネグレクト:「…まぁ…難しいほど…ボクは楽しいけどね」 彼がため息を吐くとマリアナが頭を撫でた。 マリアナ:「無茶したら、駄目よ?」 < コクン > ネグレクト:「はい、母上」 .
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