第六章

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一方、その頃のフィリアは日常的に行っている訓練を受けていた。 < カキィンキィン > 彼女は足技メインの訓練から、剣を使うものも取り入れていた。二十歳になったフィリアは屋敷の中で右に出るものはいなくなっていた。だからと言って、楽な訓練に流れることもなかった。 フィリア:「はぁっ!」 < キィンッ…カラカラ > 相手:「あ…!」 フィリアは相手の剣を弾き飛ばした。周りには警備担当者達がじっくりと見ていた。 警備担当者達:「おおっ」 警備員①:「流石です!」 警備員②:「フィリア様~!」 警備員③:「サイコーです!」 フィリア:「…」 フィリアはあちこちから黄色い声があがった。彼女は自分が弾いた剣を、拾いに行き相手にそれを手渡した。 相手:「あ、ありがとうございます!」 フィリア:「…雑念が多過ぎるわ。でも、少しは上達してるわね」 相手:「は、はい!」 < じぃー > < イラッ > フィリアは余計な視線に気付いていた。 < コソッ > 警備員が彼女に近づいて囁いた。 警備員①:「…フィリア様、また…来てますよ」 フィリア:「分かってるわ。はぁ…」 彼女は頭に手をあてた。それを見た警備担当者達が離れた場所からフィリアを見ていた男の許に行った。 < ザッザッザッ > 警備員①:「また、あんたか!」 警備員②:「フィリア様はお前に興味が無いんだよ!」 警備員③:「この野郎!」 < ガシッ > 興奮した警備員③が男の胸倉を掴んだ。 < グィ > するとフィリアが彼の肩を掴んだ。 フィリア:「私は暴力は嫌いよ」 < じぃー > 長身の男はフィリアを見下ろしていた。彼の眼差しは優しかった。 男:「フィリアさん…」 フィリア:「貴方…ここの担当ではないでしょう」 警備担当者達:「そうだ、そうだ!」 警備担当者達が声を揃えて叫んだ。 警備員①:「あんたの持ち場は庭だろう!」 警備員②:「庭に帰れ!」 警備員③:「俺達のフィリアに変な目で見るな!」 警備員④:「そうだ、そうだ!」 フィリアは呆れ、踵(きびす)を返した。
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