第七章

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被害に遭う屋敷の周りは警備体制が厳しくなる一方だった。 < 三週間後 > 怪盗が出没してからはや一週間、屋敷の警備員達に被害が及ぶことが無かった。主人達はその怪盗を捕らえる為に、地元のごろつきを雇うようになった。ごろつきは目の色を変えて怪盗を捕らえるのに躍起になっていた。 ごろつきは息子の部屋の前や見える位置に配置されていた。 < シュトン > < ドサッ > 怪盗を捕まえる事は誰にも出来なかった。音も無く近寄り、背後から首の根本に手刀が決まった。時には頭上から現れた。 フィリア:「…はぁ…」 怪盗、もといフィリアは質の悪いごろつきにはため息しか出なくなっていた。 フィリア:「次の候補者で…最後か」 最後の候補者は…これまでに見たことがないような非常に古くさい屋敷だった。一言でいうならば、「ぼろい」だった。一見すると一般の家屋の方が立派にみえた。フィリアはいつものように一定の距離を保ち敷地内の様子を窺った。 敷地内には人の気配や姿が見えなかった。フィリアは塀の上から様子を伺っていた。彼女はヒラリと塀から降りて辺りを見回すと目を見開いた。 フィリア:「これは…」 母屋はぼろかったが、庭は驚くほど手入れがされてあった。塀のが敷地を囲むのではなく、まるで花達が塀を囲っているようだった。 フィリア:「!」 その塀は裏庭に続いていた。彼女は身を潜めながら進んでいった。そこにいくと、目を疑うような光景が広がっていた。 < ぶわっ > < ぷ~ん… > フィリアはあっという間に、花の匂いに包まれた。そこは花の草原だった。屋敷に似合わないぐらいの色鮮やかで多種多様の花ばなが存在していた。 よく見ると、その花の草原の中央付近には十歳程の少年が花いじりをしていた。その少年はの髪は水色で瞳は青かった。服装は質素なものだった。 少年:「…フフフ」 少年の笑顔は眩しかった。 < カサッ > 少年:「!?」 物音がして驚いた彼はフィリアの方を見た。 少年:「…お姉さん…誰?」 フィリア:「君は…ここの人?」 .
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