第八章

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< 有力な候補者が特定されましたので、家と名前、場所を示します。 > とても簡潔な内容だった。それを見てしまったディアは目の色を変えた。 馬:「ヒヒィィンッ」 侍女達:「きゃあああっ」 侍女①:「ディ、ディア様を誰か止めて!!」 彼女は庭師の愛馬に跨がって、手紙に書いてある屋敷へと向かった。 < パカラッパカラッパカラッ… > ディアが馬に乗る機会は少なかったはずだったが馬術はかなりおてのものだった。 レクサス:「ディアを追え!」 レクサスの命令で我に返った警備員達が馬に跨がって彼女を追いかけだした。するとマリアナ専属の侍女が馬を一頭引っ張り出してきた。レクサスはその馬に見覚えがあった。 侍女①:「マリアナ様ぁ~!」 < カツッカツッ > 侍女①:「!?」 そこには乗馬スタイルに着替えたマリアナがいた。そう、その馬はマリアナの愛馬だった。 < とたん > 軽やかに馬に跨がったマリアナは馬を駆けた。 マリアナ:「(抜け掛けなんてさせないわよっ)」 全員:「!!?」 レクサス:「俺の馬を持ってこい!」 レクサスは血相を変えて叫んだ。彼の馬を庭師・ニールが連れて来た。 ニール:「レクサス様!俺が追いましょうか?!」 < たんっ > レクサスも跨がり、ニールを見た。レクサス:「いや…二人は俺が追う。お前はネグレクトを頼む。他の者は留守を頼むぞ!」 < カカッ > レクサスが駆けると、主人達を心配した警備員達数名が彼等の後を追った。 < 道 > < パカラッパカラッパカラッ… > ディア:「フィー…」 < パカラッパカラッパカラッ… > マリアナ:「貴女だけ狡(ずる)いわよ、ディア」 < カカカッカカカッ > レクサス:「…ディアのあの性格はまさに、マリアナの血を受け継いでるのか…?」 < パカラッパカラッパカラッ… > 警備員一同:「(…ディア様はまさに、お二方の血を受け継いでいらっしゃっいますよ…)」 ディアの一途はマリアナから受け継ぎ、凶暴な部分はレクサスから受け継いでいた。 その頃、フィリアは三人が屋敷に来ていることを夢にも思っていなかった。
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