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< ぞわっ >
フィリア:「!!?」
< バッ >
激しい悪寒がしたフィリアは、ゲンテルに付き合って庭いじりをしていた手を休めて、後ろを振り向いた。突撃、後ろを振り向いた彼女に驚いたゲンテルはフィリアを見上げていた。
ゲンテル:「…フィリアさん?」
フィリア:「…まさか、ね」
フィリアはそう呟き、作業を再開させた。彼女は彼との花いじりを楽しみながらも、調査を続けていた。
父親:「フィリア様、ゲンテル、昼食の用意が出来ましたよ」
< パカラッ… >
< パカラッパカラッ… >
< パカラッパカラッパカラッ… >
ゲンテル:「?」
徐々に近づいてくる数多くの蹄の音に首を傾げていた親子二人に対し、フィリアは自分の身をていしてゲンテルを守った。
?:「…!フィー!!」
フィリア達:「!!!!!」
< パカラッパカラッ… >
< ぴょーん >
< ガバッ >
< どさっ >
フィリア:「…え、えと…」
馬に跨がって現れたのは言うまでもなく、ディアだった。彼女はお供を連れずに姿を現し、そのままフィリアに向かっていった。射程距離に入ったディアはなんと、馬上で馬に両足で乗り、フィリアに向かって飛び掛かった。彼女の行動に驚いたフィリアは、ゲンテルの護衛という任務を放棄して彼女をキャッキしにいった。フィリアは自分の胸に彼女を抱きしめに行くと、ディアの勢いに負けてそのまま後ろに倒れ込んだ。
ディア:「フィー!!」
フィリア:「ディア様…」
フィリアは仰向けになり、その上から満面の笑みを浮かべているディアに対して、怒る気も失せてしまった彼女は笑い始めた。
フィリア:「あははははっ!」
ディア:「…フィー?」
< がばっ >
< ぺしーん >
フィリアは身体を起こし、ディアの額にデコピンをした。
ディア:「いたーい…フィー」
額を押さえる彼女を見たフィリアは抱きしめた。
フィリア:「…あんな危険な乗り方…何処で覚えたのです?…私は生きた心地がしませんでした…」
親子は困惑気味でフィリアを見ていた。
父親:「…フィリア様…この方は…」
フィリア:「あ…こちらは…」
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