第八章

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フィリアは二人に屋敷の中で遊ぶように忠告してからマリアナ、レクサス、父親と別室に向かった。フィリアは用心して、付いて来た警備員を二人の警護に回した。 < 別室 > 父親は夫婦にソファーを勧め、自分はその正面に座った。フィリアも二人の隣に勧められたが彼女は配下としての意識を持っていたので立つことにした。 マリアナ:「座りなさい、フィリア。私の言うことが聞けないの?」 < すとん > マリアナは自分の隣に座らない彼女に命令口調で言うとフィリアは渋々座った。 父親:「…話というのは…?」 < ニッコリ > するとマリアナとレクサスは満面の笑みで口を揃えてからいった。 二人:「子供達の事ですよ」 父親:「!」 父親は背もたれがなかったら、後ろにひっくり返るような驚きようだった。 レクサス:「私どもはこの…フィリアちゃ…彼女に一身を任せています」 父親:「し、しかし…私とそちらの身分では…」 マリアナ:「何をおっしゃっているのかがわかりませんわ。私達は貴殿と同じ気持ちなのです」 父親:「?!」 レクサス:「娘には私達のように、政略結婚ではなく…恋愛で幸せになってほしいのです」 父親:「だがこれは…」 マリアナ:「政略結婚と?それは両家に利がある場合を言いますでしょ。私達はそれを求めていれば…わかるでしょう?」 < うぐっ > 父親は二人に何も言い返せなかった。彼は二人と同じ気持ちを持っていたからだった。 父親:「私達がその気でも…子供達が…」 三人がう~んと腕を組んだ。話の流れを見ていたフィリアは静かに言った。 フィリア:「その件なら、問題ありません。ディア様とゲンテル様は性格上問題なく、既にゲンテル様の方はその気でいます」 三人はフィリアをみて微笑んだ。 マリアナ:「これが私のフィリアよ」 レクサス:「マリアナ、俺達の、だ」 父親:「…なるほど…私達が分からないところで、彼女が…」 < にっこり > フィリアは頬笑んでいた。 ディア:「きゃあああっ」 全員:「!!!?」 そこに、ディアの叫び声が響いてきた。
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