第九章

4/8
前へ
/84ページ
次へ
ニール:「…俺の事は良いですよ。早くお二方のご婚姻が結ばれることを望んでいますよ」 ディア:「はぁ…」 ディアがニールを見つめながらため息を吐いた。 ディア:「ニールは侍女達には人気があるのに…フィーは釣れないのかしら?」 ニール:「えっ?!」 < ボォッ > ニールは一気に赤面した。落ち着いた彼でも、フィリアの話題には動揺する。 ネグレクト:「え…そうなの、姉上?」 ゲンテル:「…ネグレクト…お前は勉学には頭が冴えるけど…色恋沙汰には疎(うと)いよね」 ネグレクトはレクサスの実家通いが多かった為か、噂話の類(たぐい)は縁がなかった。 ディア:「も~、モッテモテよ。「あのミステリアスな横顔が素敵ぃ~!」とか「私も花達になりた~い!」とか「フィリア様になりた~い!」とか…きわめつけに、「抱かれた~い」とか」 ニール:「!!!」 ニールは女達の視線は気になっていたが、ディアからの暴露で今にも倒れそうだった。 ネグレクト:「…何で花なんかに?」 ネグレクトはゲンテルを見た。彼は肩を落としていた。 ゲンテル:「花=見つめられたいって意味だろう。全く…ネグレクトの将来が心配だよ」 < ぽん > すると、ディアが手を打った。ビシッと人差し指をネグレクトとゲンテルに向けた。 ディア:「そうだ!良い考えが浮かんじゃった」 彼女の考えは今までで良かった事はなかった。 ゲンテル:「あ…でも、なんかうまくいきそうな気がする」 ディア:「大丈夫だって!乙女を信じなさい♪」 ネグレクト:「乙女…?」 ディア:「ネギー?」 < ビクッ > 三人はニールをその場にほったらかしで話し合いを始めた。 ネグレクト:「えっ…そんなっ」 ディア:「…信じなさい」 ゲンテル:「無謀だ」 ネグレクト:「…危ないよっ」 ディア:「大丈夫だって…」 ゲンテル:「…危険だよ」 ニールは目の前の会話を聞いていると、顔色がどんどん悪くなる一方だった。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

80人が本棚に入れています
本棚に追加