第十章

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ニール:「うわああっ!?」 < がばっ > いっこうに捕まる気配のないフィリアだったのでニールを捕まえる計画に移った。あっさりと捕まった彼に根掘り葉掘りディアとマリアナが聞いた。レクサスは盗み見をしたのでニヤニヤしていた。 ニール:「…と、言うわけでして…」 < ちらっ > 上目使いで三人を見るとにこやかだった。 レクサス:「おめでとうニール」 マリアナ:「あの子を任せたわよ」 ディア:「フィーを泣かせちゃダメだからね!」 ニール:「は、はい!」 彼は力強く頷いた。 < カサッ > 様子を見ていたフィリアが四人の横から姿を見せた。 ニール:「フィリア!」 彼女はレクサスを見てから言った。 フィリア:「レクサス様、盗み見はいけませんよ」 レクサス:「あ…ちょっ…」 < じぃ~ > 娘と妻に見つめられたレクサスは固まった。それにニールも加わった。 ニール:「…」 レクサス:「いやだなぁ、フィリアちゃん。たまたまだよ」 しばらくレクサスは慌てて三人の相手をあたふたと対応した。フィリアは彼等と別れ、警備員達の訓練に向かった。 < 数日後 > フィリアとニールは主達が認めたということもあってか、公認の仲になっていた。公認とは言っても、二人の関係は今までと変わらない感じだった。唯一変わった所をあげるとするならば、ニールに対して向ける眼差しが優しい一面を覗かせることだった。その他には訓練中に来た彼を追っ払うことが「少なくなった」ということだった。 < 二週間後 > ニール:「フィリア、結婚しよう」 フィリア:「嫌よ」 ニール:「俺は君しかありえない」 ニールはフィリアを連れて庭を歩いている時に、辺りに誰もいないのを確認すると彼女にプロポーズをした。フィリアは真顔で断った。 ニール:「何故…?俺達は…」 < カツッカツッ > その日はニールが彼女につきまとわった。翌日も、翌々日も…。 フィリア:「無理」 ニール:「まだ何も…」 フィリア:「貴方の行動は手に取るように分かるわ」 ニール:「フィリア…」 二人が会う場所は決まってニールが好きな庭だった。
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