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ディアとゲンテルの結婚式の準備には三ヶ月の期間が掛かった。フィリアはまるで自分の娘のような存在であるディアの結婚式に全力を注ぎ込んだ。
フィリア:「それじゃないでしょう!貴方、マリアナ様とレクサス様の顔に泥を塗る気?!」
フィリア:「のろのろと動かない!きびきびと!」
フィリア:「ちょっと、それは丁寧に扱いなさい!ディア様が…」
< ドカッバキッボキィッ >
フィリアの怒号が式場に響いた。明らかに足手まといの配下には怒りの鉄槌が降った。ニールはせっせと庭の手入れをしていた。彼はフィリアに内緒でディア達と組み、ある計画を進めていた。フィリアは式場の設備で引っ張り凧になっていたので、その事に気がついてなかった。
< 式当日 >
< がやがや >
< キィ~!! >
フィリアの緊張感が絶頂に達し、警備員達の働きに目を輝かしていた。
ディア:「フィー、こっち来て」
彼女は正装に着替えたディアに呼ばれて、ある個室に入っていった。
フィリア:「!!!!?」
ディア:「かかれぇ~!」
侍女達:「きゃあああっ」
そこにはどう見てもディアには大きすぎるウェディングドレスが用意されていた。ディアの他に、先回りして身を潜めていた侍女達がフィリアを見違えるような美しい人に仕立てあげた。
< カチャ >
そこにマリアナが入ってきた。フィリアの姿を見て満面の笑みを浮かべた。
マリアナ:「綺麗よ…フィリア。貴女はこれから、ディアと共に…結婚式を挙げるの」
フィリア:「…マリアナ様…」
マリアナ:「反対は無しよ。この部屋を出ると外に二人の新郎が待っているわ」
フィリアは視線を落とした。
フィリア:「彼は…知っているの?」
< スッ >
マリアナは頷き、ブーケを手渡した。
マリアナ:「ええ。彼はこの計画に賛同してくれたわ」
彼女はマリアナを見た。
フィリア:「まさか…この計画を立てたのは…マリアナ…様?」
< ぽん >
フィリア:「!」
フィリアの背をマリアナが軽く押した。
マリアナ:「私の幸せは貴女達の幸せよ。さぁ…可愛い私の娘達、行ってきなさい!」
< リーンゴーン >
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