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< リーンゴーン…リーンゴーン >
二組の恋人達の新たなる門出を祝福するように、鐘が響き渡った。
ゲンテル:「綺麗だよ、ディア」
ディア:「貴方も…」
若い夫婦は照れ笑いを浮かべながら腕を組んで歩いた。
ニール:「本当に綺麗だ」
フィリア:「…見つめすぎよ」
ニール:「俺の大切な貴女へ、俺の全てを貴女に捧げます」
フィリア:「何よそれ…」
ニールはフィリアの耳元で囁いた。彼女の横顔はうっすらと赤くなっていた。
フィリア:「まるで…プロポーズみたいじゃない」
ニール:「君が望めば、何度でもプロポーズはするよ」
フィリア:「…ばっかみたい」
フィリアは大きなため息を吐きながら呆れた表情をしていた。落ち着いた大人な夫婦は優しく迎えてくれた主達に穏やかな笑顔を向けていた。
ディア:「フィー、私は貴女が世話係で良かったよ!」
< ちゅっ >
フィリア:「!!?」
ディアはそれぞれの夫の目を盗み、フィリアの頬にキスをした。彼女は頬に手を当てて驚いていた。
フィリア:「私も貴女が貴女で本当に良かったですよ」
< チュンチチ… >
< リーンゴーン >
空を飛び回る彼等を優しく抱く空は彼女達をこれからどのように見守るのでしょうか。
空には一筋の長くて綺麗な雲一つ、浮かんでいるだけだった。
マリアナ:「リア、貴女の娘は幸せになったわよ」
マリアナはその雲を見つめながら歓喜の涙をはらはらと流した。
< すっ >
マリアナの傍にいたレクサスがそっと彼女の肩に腕を回し抱き寄せた。
リア:「(ありがとう…マリー)」
マリアナ:「?!」
< バッ >
マリアナは懐かしい声が聞こえたような気がして空を見上げ、頬笑んでいた。
< FIN♪ >
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