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< 十分後 >
部屋に入ったフィリアはマリアナから妊娠と出産についての知識をたたき込まれた。
マリアナ:「良い?貴女は今、本当に大事な時なのよ」
フィリア:「…はい」
何度も釘をさした。彼女は態度には表さなかったが、声に覇気がなかった。
数週間後、ディアとゲンテルが戻って来た。彼女が戻って来たことにより、フィリアを監視する目が増えてしまった。彼女は部屋を抜け出す機会を探していた。抜け出すと決まって訓練所に向かい、警備員達に指導と身体を動かしていた。彼女は抜け出さなくても訓練所にはいけた。行くことは出来るのに何故、抜け出すかと言うと、身体を動かせなかったからだ。
ディア:「こらー!」
マリアナ:「フィリア!」
抜け出したのがばれたフィリアはその後にいつもこってりと絞られた。
< ガクッ >
ニール:「フィリアさ~ん…頼むから、君の鬱憤(うっぷん)は俺が引き受けるから…」
ニールはその場にひざまづき、両手を合わせながら懇願(こんがん)をした。フィリアはその姿を見るたびにため息が出た。
フィリア:「ちょっと…私の前でそれは止めてって言ってるでしょう?…胎教(たいきょう)に悪いわ」
身重な彼女がやっていることは十分に悪かったが、誰も何も言わなかった。
< 数カ月後… >
< おぎゃあおぎゃあっ >
全員:「!!」
ニール、ディア、レクサス、ゲンテル、ネグレクトが別室で待機していると、フィリアとニールの第一子、二子が誕生した。それは双子で、一姫二太郎だった。
ニール:「フィリア!!お疲れ様…」
ニールはフィリアが居る部屋に彼は飛び込み、彼女の片手を両手で握りしめた。疲れきった彼女表情は清々しいものだった。
フィリア:「ニール…」
マリアナと侍女が二人の子供をそれぞれ抱き抱えてやってきた。ニールはマリアナが抱えていた姫を抱き抱えた。
二人はニールの色素を強く引き受け、髪は橙色(オレンジ)で瞳は紫がかった緑だった。赤子の顔を見る限り、まだどちらに似ているか分からなかった。
レクサス:「おめでとう、ニール!」
マリアナ:「ふふ…これで私は御祖母様ね♪」
ネグレクト:「母上、フィリアさんは…」
< にっこり >
マリアナは優しい笑顔を浮かべた。
マリアナ:「あら、フィリアは小さい頃から私と居るから…我が子も同然よ♪」
レクサス:「それを言うなら、私達…だろ?」
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