番外編・その②

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フィリアに子供達が出来て十五年の月日が経った。フィリアは四十歳、ニールは四十三歳、ディアとゲンテルは三十歳、ネグレクトは二十八歳になっていた。 フィリアは歳を感じさせない動きと若さで警備員の訓練に励んだ。ニールは庭師一筋に集中した。ディアはマリアナの座を引き受け、マリアナとレクサスは隠居とは言いつつもディアのサポートに回った。ネグレクトはと言うと、二十歳になる時にレクサスの実家の名を受け継いだ。名字は変わってしまったが、ネグレクトはマリアナの屋敷を訪れていた。彼はニールを見て育ったので、婚期を逃していた。 フィリアとニールの子供達は二卵性だったがつくりは似ていた。しかし、性格は真逆だった。姉はニールに、弟はフィリアにそっくりだった。 二人が生まれてから二年後、ディアとゲンテルに第一子の娘が生まれた。 ニールは息子を連れて自分の庭(テリトリー)にきた。彼は息子に自分の仕事を継がせる気でいた。 < シュシュシュシュッ > ニール:「うわぁぁ?!」 ニールが息子から目を離した隙に、彼が手塩にかけた木の姿形が変貌を遂げていた。 ニール:「フィル!!お前…自分が何をしたか解っているのか?!」 フィル:「…あぁ」 フィルと名付けられた彼は別に反省する様子はなかった。フィルはニールを見下ろしていた。 ニール:「というか…そこにどうやって登ったんだ?!危ないだろう?!」 フィル:「大丈夫。母さんが教えてくれたし」 ニール:「か…フィリアさんが?!」 フィルは屋敷の三階部分に相当する高さの木に登っていた。登ったついでに木の形をフィリアそっくりに刈りあげてしまった。 フィル:「第一、こっちの方がマリアナ様、レクサス様、ディア様…父さんだって嬉しいだろう?円い形じゃ芸がない」 < ぽんぽん > < ヒュッ…パシッ > フィルは手に持っていたナイフをお手玉のようにして遊んだ。彼はそのナイフ一本で全てを仕上げていた。 ニール:「な…」 < かぁぁぁ > ニールは息子に突っ込まれると顔を赤くした。 < 訓練所 > < バシッドシュッ > < タタタタタッ > フィリアは軽やかなステップで動いているのを端の方から見つめ影があった。
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