392人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が何回か『王子だろ』を続けると、相手も『王子じゃない』を繰り返すだけで前に進まない。
俺は王子だろうがなんだろうが、どうでもよくなってきていた。
どうせ敵なのだろうから。
「解ったお前は王子じゃなくてもいい、前に戦った奴と似ている奴なんだな?」
「あぁ。そうだ」
「んじゃダウト」
「続行!?てかまだ1しか出してないってのに!?」
「で、名前は?王子」
「王子じゃない、アロクだ」
「アロク?あくろじゃなくて?」
「アロクだ」
「牙刃、どうするの?」
「王子じゃないなら心配することもないだろう」
「…そうだねっボクはムツル。それから牙刃だよ」
「んじゃあこのカードゲームはアロクの負けってことで」
「意味解ンねぇよ、てかお前何者だ?双黒」
「双黒言うな、うちは代々黒で生き黒で逝くんだよ。いや…日本人の半数は双黒だ、外人に憧れて染める輩もいるみたいだけどな」
「何言ってるか解ンねぇ」
鬼に日本人の心とか人間の心理は理解出来ないようだな。
俺も多分、鬼の心理とか解らないんだろうな。
*
最初のコメントを投稿しよう!