第一章

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「さてとムツル、俺は一つ聞きたい」 「はい、なんですか?」 「結局の所ここは人間の俺にとってなんて表現法を使えばいいんだ?」 「えっとー…ボク、人間界の事あまり、というか全然解らないので解りません」 「じゃあ俺の勝手な判断でいいのか?」 「いいと思います」 「んじゃあ鬼ヶ島」 「鬼ヶ島?」 「ムツルは小鬼だから鬼ヶ島……てことは何か、俺は言わば鬼退治しに来た桃太郎か?」 「桃太郎?」 そんな訳ないよなと俺は別の可能性を考えることにした。 鬼ヶ島ではなく、鬼が現れるモノ…。 鬼イコール地獄道がベストならば、ここは地獄界と名付けよう。 まぁ実際に滅魔国とか名前があるし地獄界ってのは俺の中の通称にすればいいか、俺にだけ通じれば問題ないだろうし。 「牙刃…」 「ん?なんだよ、弱々しい声出して?」 「ボク、黙ってた事があるの」 「黙ってた事?」 「うん」 ムツルの黙っていた事とは? *
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