第一章

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「牙刃、これからどこ行くの?」 「町の中」 「えっどうして?」 「人を隠すなら人の中」 「意味解んない」 「とりあえず、宿屋は入ってゆっくりしたいんだよ、俺は一応学校帰りで疲れてるんだよ!」 「ご、ごめんなさい…」 まぁなんだかんだで宿屋を見つけ部屋をチェックインし、今後の事を話し合うことになった訳で。 「お前はどこに行きたいんだ?」 「故郷に帰りたい、けど帰れない」 「なんでだ?」 ムツルはそのまま黙り込んでしまった。 故郷に帰りたいのに帰れないとは一体どういう意味なのか、故郷が遠いのかもうすでに無いのか、俺には解らない、まだ家に帰りたいと思わないから。 「ボク…ボクの故郷の人達はボクを嫌っているの、ボクが…白鬼だから…。元々は赤鬼だったのに変異でボクを」 「元々は赤鬼だった?でも根まで白だろ」 「赤だったの!」 「…あっそう、とりあえず故郷以外で別の場所はないのか?」 「ボク、故郷以外の場所あまり知らない」 「あぁそう」 *
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