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お前が居る事が当然だと思ってた日常 お前は俺を憎んでいたから 力で奪い取った愛も 偽りの温もりも お前の全て、全部、自分の物だと 俺は浅はかにも信じていた 寒さに曇る窓の隙間から 雨が降る外を眺めて お前が居ない現実を思い知る 居なくなって初めて気づく 俺がお前に愛されたかった事 不器用な俺がお前を捕まえた事で 恋愛の対象が俺だけになる事で お前が俺を愛してくれると思っていた事を お前は俺の手のひらから抜け出して 広い世界から姿を消した お前が愛したアイツを連れて 二度と戻る事はない お前は消える事で 真実の愛を手に入れた 俺に灯した炎だけ 行き場を失くして雨に揺らぎ続けた 赤く光、ボタンを見つめ バスから降りた俺の頭に 冷たい雨が流れて落ちた 俺の瞳の雨を流した
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