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ああ、俺は笹脇どころか永岡まで傷付けてる。どうしようもない奴だ。
最低だ……。
「そんな気持ちなら付き合わない方がいい。半端な気持ちで俺に言い寄ってきたんなら、あの日の言葉は無かった事にさせてもらう」
「半端な気持ちなんかじゃない」
「じゃあ、今この状況は何だ。お前が不器用なのは知ってる。誰よりもお前の事よく知ってる。だから、特別だって言われた時……すごく嬉しかった。それなのに……。今は裏切られた気持ちでいっぱいだ」
言葉が見つからない。
言い訳したくないのに、頭に浮かんでくる単語や文章全てが言い訳の様に思えて口に出すに至らない……。
「そろそろ大学に戻らないと。考えさせてくれなんて言葉はいらない。さっさと俺を捨ててしまえば楽になるんだ、早く諦めろよな。じゃ」
「諦めるつもりねぇから。お前を手離そうなんておもっちゃいない」
「愛してくれる人が居るのに、どうしてわざわざ俺を選ぶ?」
「お前が特別だからだよ」
「どーだか……」
自分で自分を捨てろという永岡の言葉が痛かった。言わせているのは、他でもない俺なのだ。
最低最悪。
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