131人が本棚に入れています
本棚に追加
謝らなくては。
「笹脇、永岡、ごめん。傷付けたくなくてしたことが、お前達を傷付けてしまった。こんな俺を…好きで居てくれて、ありがとう」
「傷、付かないって…言った、じゃないっす、か……」
そう言いながらも頬には滴が伝っていた。俺がハンカチなんて物を持っている訳でもなく、ティッシュも見つけられない。
着ていたシャツの袖で拭いてやる。
「っ……!!や…優しくしないでください!!」
バチンという音と共に手が弾かれた。
笹脇の眉間には皺がいくつも寄っていて、唇は噛み締められている。
まるで、威嚇している猫のようだ。
その眉間にデコピンをかました。
「っつぅ!!!!!?な、何するんすかッ!!」
「馬鹿か。優しくするのは止めねぇよ」
「どーして」
「お前は俺の後輩だから。前と変わらず、お前は俺の可愛い後輩なんだよ。残念ながら恋人は永岡だが、お前に対する態度は変えないから」
「上山さん……うっ、うぅう…がみやばざぁーん!!」
腕に抱き着いて、いよいよ本格的に泣き出した。汚い泣き方だなぁ、おい。
俺のシャツをグショグショにして泣きじゃくる。レジに出れるだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!