気まぐれビター

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  謝らなくては。   「笹脇、永岡、ごめん。傷付けたくなくてしたことが、お前達を傷付けてしまった。こんな俺を…好きで居てくれて、ありがとう」 「傷、付かないって…言った、じゃないっす、か……」   そう言いながらも頬には滴が伝っていた。俺がハンカチなんて物を持っている訳でもなく、ティッシュも見つけられない。 着ていたシャツの袖で拭いてやる。   「っ……!!や…優しくしないでください!!」   バチンという音と共に手が弾かれた。 笹脇の眉間には皺がいくつも寄っていて、唇は噛み締められている。 まるで、威嚇している猫のようだ。 その眉間にデコピンをかました。   「っつぅ!!!!!?な、何するんすかッ!!」 「馬鹿か。優しくするのは止めねぇよ」 「どーして」 「お前は俺の後輩だから。前と変わらず、お前は俺の可愛い後輩なんだよ。残念ながら恋人は永岡だが、お前に対する態度は変えないから」 「上山さん……うっ、うぅう…がみやばざぁーん!!」   腕に抱き着いて、いよいよ本格的に泣き出した。汚い泣き方だなぁ、おい。 俺のシャツをグショグショにして泣きじゃくる。レジに出れるだろうか?  
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