依頼人

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マフィア。 真映の口から出た言葉に、さしものノアも絶句する。 隣にいた澪も、同じような顔をしていた。 俺に至っては、余りの非現実的な言葉に、実感すら湧いてこない。 「マ……フィア、ですか?」 暫くして漸く我にかえったノアは、確認するように、その言葉を反復する。 間違いであってくれ!とその瞳が、痛いほどに訴えていた。 マフィアじゃなくて、実はマフィルさんとか!! ────と思っているかは知らないが、兎に角、鳩が豆鉄砲をくらうという言葉はこんな時に使うのかと、実感する。 まさか、我が身で体感するとは思わなかった。
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