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ポカポカとした春の陽気の中。
俺は、うとうとと微睡んでいた。
事務所の中は太陽がさんさんと降り注ぎ、寝心地の良いソファーが俺を優しく受け止める。
「ん…」
俺は近くにいた犬───澪の拾ってきたのだ───パトラッシュの首にぎゅっと抱きついて、更に深い眠りに落ちようとする。
しかし。
「飛鳥。
起きて下さい、飛鳥」
「飛鳥君。
仕事中に寝るなんて、いい度胸だね?」
惰眠を貪ろうとした俺は、直ぐに現へと引き戻される。
ノアと澪だ。
俺は軽くため息をつくと、うーんと伸びをして起き上がる。
「ちょっとうとうとしてただけだっての。
休憩だよ」
そして言い訳がましく(いや、実際に言い訳だが)そう呟くと、ソファーから立ち上がった。
ついでに、パトラッシュの頭も撫でてやる。
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