321人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前なぁ…」
少しは心配しろよ?
その声を言外に潜ませながら、俺はノアを半眼で睨む。
「何?飛鳥君」
しかし、ノアにとっては何ということもないらしい。
言外の意味を分かった上で、飄々とそう言ってのけるだから、何とも意地が悪い。
俺は、ピクッと眉を上げる。
そんな時。
「ノア、そろそろ止めないと。
飛鳥が怒りますよ?
からかうのもそのくらいにして下さいね」
幼なじみの直感か。
まさにキレかけていた俺を遮るように、澪の声が響く。
それに、ノアもクスクスと笑って
「澪君には敵わないね。
それに、飛鳥君のことを一番解ってるのも澪君だからね」
やれやれと肩を竦めると、俺をからかうのをやめる。
それに俺は出鼻を挫かれて、ガクリと肩を落とした。
この怒りの矛先をどうしろと…。
最初のコメントを投稿しよう!