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「とにかく!」
俺は、先ほどの怒りを口調に潜ませながらも、ビシッと宣言する。
「花喃さんも旦那さんも。
絵に書いたように幸せそうだったよ。
花喃さんの心にどんな風に箕坂さんが残ってるのかも分からないし、前ほどに旦那さんを愛せてるのかも分からない。
でも。
少なくとも、悲観はしていなかった。
それが結論」
ノアの解いた、推理の結晶。
俺はノアと澪を見ると、「何か質問は?」と、半ば半眼になりながら聞く。
2人は苦笑しつつ、ゆっくりと首を振った。
「幸せなら、それで良いです」
「あのまま、箕坂さんを悪者とすることも出来たからね。
それで花喃さんが不幸せにならなくて…良かったよ」
澪は嬉しそうに。
ノアは安心したように。
それぞれが呟いた。
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