別レハ突然ニ…。

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別レハ突然ニ…。

桜が咲いていなく、風が少し冷たいが…今は四月上旬。 「やっば~い!!遅刻するじゃん!!」 「まだ間に合うだろ~がよ!!」 「あんたは呑気なの!!少しは焦りなさいよ!?」 「るせーな!!元々お前が入学式だからって…化粧に時間費やし過ぎただろうがよー!!」 人目も気にせずスーツ姿で専門学校の入学式に間に合うのか言い争っているこのカップル。彼女の名を安達 友紀。そして彼氏の名を八神 俊一という。 この二人は高校の初めから今までの三年間付き合っていて、周囲からは「おしどりカップル」と言われていた。 「間に合ってよかったー。」 「ほら…余裕だったじゃねーか。」 新入生の席に着くと…二人はほっと一息ついて式に参加した。 「つうか来賓のオッサンども…話なげーんだよな。」 「わっかるー!!あれ大体30分くらい話してたよ。」 「お前…計ってたのかよ~」 「だって暇だったんだもん。」 帰り道…二人は式の文句を言いながら家を目指して歩いていた。 「今日は疲れたなぁ~じゃまたな!!」 「送ってくれてありがとう俊一!!バイバイ♪」 友紀を送ると…俊一は足早に去って行った。 この時に言った別れの挨拶が最後の会話になるなんて… 二人には分かるはずなかった。 「やっべー!!あいつら怒るかやー!!」 腕時計を気に、仲間との集合を気にする俊一。今日は高校時代の悪仲間と宅飲みする為、近くのコンビニで待ち合わせしていた。 「ぉ…いた!!おーい俊一ぃー!!」 「おっせーぞ!!」 向こう側で拓と裕也が待っていた。 「わりい!!今行く!!」 二人に気を取られて… 俺は… 車の存在に…気付けなく… キキーッ!! ダンッ!! 車の急ブレーキ音と同時に… 自分の体が浮いたと思うと… 地面にたたき付けられた。 「俊一!!おい!!救急車呼べ!!」 「おう!!あの…救急なんですけど…」 「大丈夫ですか?!」 拓と裕也と…聞き慣れない男の声が聞こえたような気がした。 やべえ…意識が遠退く…。 「ゅ…き…」 「「ぇ…?」」 霞みゆく景色の中で…俺は愛しい女の名を呟くと瞳を閉じた。
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