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最初にソレにさわられたのは、学生時代、サークルメンバーのうち十人程度で旅行した時だった。 車を出せるメンバーに運転してもらい分乗して、天城トンネルを通って宿に着いた。 助手席から降りて、座席に残した荷物を取る為に右手をルーフにかけ、車内を覗き込むように屈んだ。 その手の上を、 パタパタパタパタパタパタッ 複数の指で、まるで鍵盤を爪弾くように、素早く触られた感触がした。まるで降って来るようだと感じたのを覚えている。 「ちょっとー!Yくん、やめてよ」 笑いながら顔を上げて、向かいで悪戯している筈のドライバーを見た、つもりだった。 彼はとっくに荷物を手にして、車から少し離れたところで背中を向けて立っていた。
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