3人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
狂気じみた爛々とした瞳で、ニタニタと笑う鏡の中の顔。
あまりに自分の顔が悍しく、足が竦んで凝視していると、鏡の中で身体がぐらあ、とゆっくり後ろに倒れていった。
身体だけが。
鏡の中の私の首はまるで高さを変えず、相変わらずニタニタと私を見ている。
倒れていく鏡の中の身体を見て、何かに掴まらなければ自分も倒れる気がして腕を伸ばせば、鏡の中の倒れていく身体も腕を上げている。
鏡の中の生首が私を嘲笑いながら口を動かした。
声は聞こえない筈なのに、言葉がはっきり伝わった。
し ね 。
最初のコメントを投稿しよう!