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私は申し訳なさを感じながらも、そんな薄情な理由で合宿を抜け出して直行することを諦めた。
合宿を終えて東京の一人暮らしの自宅に戻り、喪服になりそうな黒い服などを準備して翌日発った。
そうして冷たくなった祖母に会えたのは、訃報から二、三日後のことだったと思う。
東京から八時間かけてようやく会えた棺の中の祖母は、いつもと同じ穏やかな顔だった。
死んでいるという実感がわかず、起きないのが不思議な気持ちになるほどだった。
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